保護者が抱えがちな悩み

「つい大声で叱ってしまう」「子どもが感情を爆発させて手がつけられない」――そんな子育ての悩みを抱える保護者は少なくありません。
実は、家庭での声かけの仕方や接し方は、子どもの感情表現や友達との関係に大きな影響を与えることが心理学の研究からも分かっています。

親の接し方が子どもの感情表現に与える影響

学童で日々子どもと接していると、感情のコントロールが難しい場面に直面することがあります。ある日の色育(色を使った情緒教育)での出来事です。
一人の児童が突然立ち上がり、近くの友達の作品に触った瞬間、「なんで僕の本勝手に触るの!」と大きな声で怒鳴りました。言われた児童はびっくりし、顔をこわばらせて拳を強く握りしめ、なんとか感情を抑えようとしていました。怒った児童はさらに「何その顔!」と攻撃を続けてしまいます。

個別に話を聞くと、その子はセッション前から機嫌が悪かったようです。そして背景には「家庭で大声で怒られる」という環境があることもわかりました。つまり「怒り=大声で表現するもの」という学習が日常生活の中で形成されていたのです。

大声で叱るとどうなる?|家庭環境が子どもに与える影響

児童心理学では、親の言動は子どもの感情調整能力(emotion regulation)に大きな影響を与えるとされています。
米国心理学会(APA)の報告によれば、子どもが家庭で繰り返し大声で叱責されると、不安や攻撃性の増加、自己肯定感の低下といった影響が見られることがわかっています(Wang & Kenny, 2014, Child Development)。

また、日本の国立成育医療研究センターが行った調査(2021年)でも、「強い叱責や体罰に近い言動を日常的に受けている子ども」は、学校や集団生活の中で怒りを爆発させるリスクが高いことが示されています。親の態度はそのまま「子どもの感情表現のモデル」になりやすく、模倣されてしまうのです。

子どもは親の姿を“モデル”として学ぶため、親が大声で感情を伝えると「怒り=大声で表現するもの」と覚えてしまうのです。

感情表現は「学習」される

心理学者バンデューラの社会的学習理論(1977)によれば、子どもは周囲の大人の行動を観察し、それを模倣して自らの行動パターンを作ります。つまり「怒りの伝え方」は生まれつきではなく、親や教師など身近な大人から学んだ結果です。

今回の児童も「大声で感情を伝える」家庭の影響を強く受けており、そのスタイルを学童という場で再現していました。対して、言われた児童が必死に我慢していたのは「怒りを抑えることも大事」という別の学習がなされているからです。家庭環境の違いが、子ども同士のやり取りに直接的な影響を及ぼしていることが分かります。

学童での対応

学童という場は、単なる「居場所」以上に、感情を学ぶ実践の場でもあります。今回の対応では、怒った児童に対し「怒る感情自体は悪くないが、大声ではなく言葉で伝える方法」を提案しました。先生(スタッフ)が大声で怒らない例を引き合いに出すことで、「別のモデル」を提示することも効果的でした。

一方で、言われた児童には「よく我慢できたこと」をしっかり認め、「嫌なことは我慢せず伝えてよい」というメッセージを補いました。感情を抑える力と、適切に表現する力、その両方を養うことが学童の役割の一つです。


友達と楽しくソフトクリームを食べる児童

保護者ができること

保護者にとって「大声で怒らない育児」は簡単ではありません。仕事や家庭のストレスで余裕を失えば、思わず声を荒げてしまうのは自然なことです。しかし、研究でも示されているように、子どもの情緒安定や非認知能力の育成には「落ち着いたコミュニケーション」「一貫したルール」が重要です(Morris et al., 2017, Journal of Family Psychology)。

「感情を表現すること自体は正しい」
「ただし伝え方は選べる」
この視点を家庭でも学童でも共有できれば、子どもは自分の感情を肯定しながら、相手に配慮した表現(尊重)を身につけていけるでしょう。

民間学童だからできるクラフトマンの取り組み

クラフトマンアフタースクールでは、宿題や学習サポートだけでなく、感情の扱い方や人との関わり方を日常の中で学べるようにしています。
・「怒る」=悪いことではない、と受け止める
・相手が傷つかない伝え方を一緒に練習する
・我慢や自己表現をバランスよく育てる

これは学校だけでは補いきれない、民間学童だからこそできることです。もちろんこうした学童内での出来事を個別にレポートを送るのもクラフトマンアフタースクールならではです。
余談ですがAppleの中でもApple Feedbackとして社員同士で行うフィードバックプロセスがあり、この対応にも詰まっています。AppleではFeedbackという文化を大事にしています。これは多国籍な人間で構成される企業だからこそ、相手の文化や考えを尊重することが従業員同士の円滑なコミュニケーションに繋がり、イノベーションを起こしていくと信じられているからです。実際にApple社は世界で大きな成功を収めています。効果的なFeedbackは子どもにも効果的ということですね。

まとめ|子育てにおけるコミュニケーション方法の工夫

子どもは親の言葉や態度をそのまま写しとります。
だからこそ「落ち着いたコミュニケーション方法」「相手を尊重した伝え方」を意識することが、学童でも家庭でも大切です。(フィードバック)
横浜・北山田のクラフトマンアフタースクールでは、保護者と共に「声のかけ方」「コミュニケーション方法」を整える子育てをサポートしています。

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