「自分で決められる子」はどう育つ?|クラフトマンアフタースクールが大切にする“自己決定力”
「自分で考えて行動できる子になってほしい」
多くの保護者が、子育ての中で一度は思うことだと思います。
ただ、実際の生活ではなかなか難しいものです。
宿題をしない。
片付けをしない。
習い事を嫌がる。
習い事を辞めたがる。
友達とのトラブルで感情的になる。
そんな場面では、つい大人が先に答えを出してしまいます。
「早く宿題しなさい」
「それはダメ」
「こっちにしなさい」
もちろん、必要な指示もあります。
でも、指示だけで動く経験が続くと、子どもは「自分で決める力」を育てにくくなります。
クラフトマンアフタースクールで育てたい力の一つが、この自己決定力です。
自己決定力とは「好き勝手にする力」ではありません
自己決定力というと、
「子どもに自由に決めさせること」
と思われることがあります。
でも、それは少し違います。
自己決定力とは、
状況を見て、自分で考え、責任を持って選ぶ力です。
たとえば、
「宿題をやるか、やらないか」
を自由に選ばせるのではなく、
「宿題を先にやる?それともおやつのあとにする?」
と選択肢を出す。(Option Given)
これが自己決定力を育てる関わりです。
大切なのは、
ルールの中で選ばせることです。
実は、この考え方は、私がApple Storeで働いていた頃にも大切にされていました。
Apple Storeでは、お客様に何かを一方的に勧めるのではなく、相手が自分で選べるように質問をしていきます。
たとえば、新しいiPhoneを検討しているお客様に対して、
「新しいiPhoneをお考えなのですね。写真や動画はたくさん保存したいタイプですか?それとも、できるだけリーズナブルに買い替えたいですか?」
というように聞きます。
一見すると、何気ない会話のように見えます。
でも、これは相手に選択肢を渡している関わり方です。
大切なのは、こちらが正解を決めつけないことです。
お客様自身が、
「自分は写真をたくさん撮りたいんだ」
「実は価格を一番気にしていたんだ」
と、自分でも気づいていなかった本当の希望に自然と気づいていく。
そして、自分で選んだものだからこそ、納得して使うことができます。
これは、子どもとの関わりでも同じです。
「宿題をやりなさい」と言われて動くのと、
「宿題を先にやる?それともおやつのあとにする?」と聞かれて自分で選ぶのでは、子どもの受け止め方が変わります。
「お客様はたくさん写真を撮った方がいいので、こちらの容量の多いiPhoneで...」と言ったらどうなるでしょうか。もう、わかりますよね。
大人がすべてを決めるのではなく、
子どもが自分で考え、選べるように問いかける。
その積み重ねが、自己決定力を育てていきます。
勘違いしやすいポイント|“任せる”と“放任”は違う
自己決定力を育てるうえで、保護者が迷いやすいのがここです。
「子どもに任せる」と聞くと、
子供に好きにさせることだと思われがちです。
しかし、子どもはまだ経験が少なく、見通しを立てる力も育っている途中です。
完全に任せきると、うまくいかないことも多くあります。
クラフトマンでは、子どもに任せる前に、必ず大人が枠を作ります。
たとえば、そろばんの時間に集中できず寝てしまう子がいた場合、いきなり叱るのではなく、
「次に寝てしまったら、今日は一度そろばんをやめることになるけど大丈夫?」
と事前に伝えます。
そのうえで、本人が頷いたなら、その後の行動には本人の選択が含まれます。
これは罰ではありません。
自分の行動と結果をつなげる経験です。
子どもは、自分で選んだことだからこそ受け止めやすくなります。
クラフトマンでの自己決定力の育て方
クラフトマンアフタースクールでは、日常の中で自己決定力を育てています。
まず、宿題の場面です。
「早くやりなさい」と言うのではなく、
「どこから始める?」
「何分で終わりそう?」
「終わったら何をしたい?」
と聞きます。
子ども自身が順番を決めることで、宿題が“やらされるもの”から“自分で進めるもの”に変わります。
次に、習い事の場面です。
書道やそろばんでは、うまくできないことがあります。
そこで大人がすぐに答えを出すのではなく、
「どこが難しかった?」
「次はどうしたらよさそう?」
と問いかけます。
失敗した後に、自分で次の行動を決める。
この繰り返しが、自己決定力を育てます。
さらに、Learning Fridayのような探究型学習でも、子どもたちは自分の考えを出し、友達と話し合いながら進めます。
正解を教わるのではなく、
自分で考え、選び、試す。
この経験が、将来の学び方の土台になります。
大人の役割は「決める人」ではなく「決められるように支える人」
自己決定力を育てるために、大人が何もしないわけではありません。
むしろ、大人の関わり方はとても重要です。
子どもが迷っているときは、選択肢を出す。
間違えたときは、責めるのではなく振り返る。
うまくいったときは、結果だけでなく決めた過程を認める。
「自分で決めてよかった」
「次も考えてみよう」
そう思える経験を増やすことが、大人の役割です。
クラフトマンでは、子どもを“まだ小さいから分からない存在”として扱いません。
もちろん年齢に応じたコミュニケーションスタイルではあります。
でも、一人の人間として、考えを聞きます。
だからこそ、真剣に話します。
必要なときは、厳しく伝えることもあります。
それは、子どもを尊重しているからです。
自己決定力は、毎日の小さな選択で育つ
自己決定力は、特別な授業だけで育つものではありません。
宿題をどこから始めるか。
失敗したあとにどうするか。
友達にどう伝えるか。
習い事を続けるか、どう向き合うか。
こうした日常の小さな選択の積み重ねで育っていきます。
クラフトマンアフタースクールでは、
子どもが自分で考え、自分で選び、その結果を受け止める経験を大切にしています。
自分で決められる子は、
将来、自分の人生も自分で選べるようになります。
私たちが育てたいのは、
ただ言われたことをこなす子ではありません。
自分で考え、選び、前に進める子です。



