民間学童を比較するとき、最初に目に入るのは料金や開所時間、習い事の種類ではないでしょうか。
月額はいくらか。
学校へのお迎えはあるか。
どんなプログラムを受けられるか。
どれも大切な検討材料です。
一方で、料金表だけでは分からないことがあります。
誰が子どもを迎えに行くのか。
その人は、どのような基準で採用され、何を学んでいるのか。
施設では、子どもの何を見て、どのようにご家庭へ伝えているのか。
事故を防ぐために何を行い、万が一のときにはどのように備えているのか。
クラフトマンアフタースクールが運営の中で重視しているのは、こうした「見えにくい部分」です。
今回は、過去に行ったお迎えオプションの価格改定の背景も含め、クラフトマンが人材、研修、安全、記録にコストをかける理由をお伝えします。
これから学童を比較される保護者の方には、料金だけでは分からない違いを確かめる材料として。現在お通いの保護者の皆さまには、日々のサービスの背景をご理解いただく機会としてお読みいただければ幸いです。
お迎えは「移動」ではなく、子どもの安全を引き受ける仕事

学校から学童までの距離だけを見れば、お迎えは「子どもと一緒に歩く仕事」に見えるかもしれません。
しかし、実際にはそれほど単純ではありません。
クラフトマンのお迎えオプションは、安全管理上、学校の校門ではなく放課後キッズクラブで正式な引き渡しを受けてから行います。
誰から、どの子を、何時に引き受けたのかを確認する。
移動中は、交差点、自転車、自動車、工事箇所、混雑、天候、子どもの体調や気持ちの変化に注意する。
複数の子どもが一緒であれば、それぞれの歩く速さや行動を見ながら、集団全体の安全も保つ。
子どもは、大人が想定した通りにだけ動くわけではありません。友だちを見つけて急に走り出したり、気になるものを見つけて立ち止まったり、その日の気持ちによって会話に夢中になったりします。
だから、お迎えに必要なのは道を知っていることだけではありません。
子どもの行動を予測し、周囲を見て、危険になる前に声をかけ、必要なときにはすぐに動けることが必要です。
クラフトマンでは、お迎えを単なる移動サービスではなく、保育の一部として考えています。
お迎えオプションは、いつまで必要?
「一度つけたら、ずっと必要なのでは」と心配される方もいらっしゃると思います。
一例として、現在の小学1年生は7月末までお迎えオプションを利用し、夏休みに入ってからは一人で登所することを基本としています。新しい学校生活や通学路に慣れるまで安全を支え、その後はお子さまの様子とご家庭の判断に合わせて、一人で通う段階へ移っていく考え方です。
すべてのお子さまが同じ時期に外せるわけではありません。距離、経路、交通量、本人の性格や経験によって適切な時期は変わります。お迎えは永続的な前提ではなく、自立までの移行期間を支える選択肢としてご相談いただけます。
お迎えオプションの価格を改定した理由
お迎えオプションの価格は、保護者の方から見れば「以前より高くなった」と感じられるものです。その受け止めは当然だと思います。
だからこそ、価格だけでなく、その費用を何に使っているのかをお伝えする必要があります。
クラフトマンでは、できるだけ低い人件費でお迎え要員だけを確保する、という運営はしていません。
子どもと日常的に関わるための採用基準を設け、人材を選び、雇用し、研修を行い、必要な時間に確実に配置する。そのうえで、お迎え時の引き渡し、道路の歩き方、子どもの行動の見方、緊急時の連絡などを共有したスタッフが担当します。
そこには、人材の募集・選考、給与、研修、引き継ぎ、シフトの確保といったコストがかかります。
もちろん、料金が安いサービスが危険で、料金が高ければ安全だと単純に決められるものではありません。また、地域ボランティアやさまざまな立場の方が子どもを支えていること自体を否定するものでもありません。
ただし、子どもの移動を誰に任せるのか、その人がどのような準備をしているのかは、学童を比較するときに確認していただきたい大切な点です。
クラフトマンのお迎え料金には、「歩く時間」だけではなく、安全を担う人材を選び、育て、継続して配置するための費用が含まれています。
保険に入っていても、失った夏休みは戻らなかった
クラフトマンがこの点を重く考える背景には、この記事を書いている私自身の息子に起きた経験があります。
都内のある公設学童では、区がボランティアを集め引率を「パトロール」という名目で引率を行なっています。その方が担当する送迎を利用していたときのことです。
中のいい友達が走り出し、すぐに息子が追いかけて、転倒して肘を骨折しました。同行していた方は高齢で、走り出した子どもへすぐに対応することが難しい状況でした。あとで知りましたが、子どもが引率者を追い抜かすことは常態化していたとのことでした。学童の対応は決して十分ではなく、引率はボランティアがやっていることなので、責任としては何も負わないとのことでした。
事故が起きたのは夏休みの直前でした。
ワイヤー入りの肘を固定した状態では、鉛筆を持つことも難しい。プールをはじめ、楽しみにしていた夏のアクティビティにも参加できませんでした。学童を休まざるを得ない毎日、仕事や家庭の予定を調整する妻にも大きな負担が生じました。
加入していた保険は、治療中の負担を支える大切な備えです。
けれど、痛みをなかったことにはできません。
楽しみにしていた夏休みを返すことも、勉強や生活の困難を取り除くことも、保護者の仕事の調整を元に戻すこともできません。
この経験から、私たちは「保険に入っているから大丈夫」とは考えなくなりました。
事故後の備えと、施設側の事故を起こしにくくするための人材・研修・運営は、別々に必要です。
クラフトマンの保険は「二本立て」で備える
どれだけ注意しても、子どもの生活からすべての事故をなくすことはできません。
だからクラフトマンでは、予防に取り組むことと、万が一に備えることの両方を行っています。
備えは大きく二つあります。
1.子ども自身のケガに備えるスポーツ安全保険
活動中の転倒や、子ども同士の接触など、施設側の責任の有無にかかわらず、子ども自身のケガに備える保険です。
現在ご案内している主な傷害補償は、次の通りです。
- 入院:1日あたり4,000円
- 通院:1日あたり1,500円(1事故30日まで)
- 後遺障害:最高4,500万円
- 死亡:3,000万円
- 熱中症、細菌性・ウイルス性食中毒も補償対象
クラフトマンでの活動中に加え、学校から施設への移動中や、施設と自宅との間を通常の経路で登所・帰宅している際の事故も、補償対象となる場合があります。
ただし、入院・通院の保険金は、実際にかかった医療費をそのまま精算するものではありません。入院・通院の日数などに応じて支払われる定額の保険金です。実際に対象となるかどうかは、事故の状況に基づき引受保険会社が判断します。
2.施設側の責任に備える賠償責任・財産の保険
設備の不備やスタッフの過失などによって施設側に法律上の賠償責任が生じた場合には、東京海上日動火災保険株式会社の保険で備えています。
現在ご案内している主な支払限度額は、施設・事業活動中の対人・対物賠償3億円、飲食物に起因する事故3億円、個人情報の漏えい1,000万円です。
スポーツ安全保険の保険料はクラフトマンが負担しており、保護者の方に別途ご負担いただくことはありません。
補償内容や金額は契約更新などにより変更となる場合があります。最新の内容と事故時の流れは、公式サイトの「安全・保険への取り組み」でご確認いただけます。
保険は、万が一のあとに家庭を支える備えです。
一方で、採用や研修は、万が一をできる限り起こさないための取り組みです。
クラフトマンは、どちらか一方で十分だとは考えていません。
「誰が関わっても同じ」ではないから、スタッフ研修を行う
子どもへの関わりは、スタッフ個人の経験や性格だけに任せると、対応にばらつきが生まれます。
あるスタッフはすぐに答えを教える。
別のスタッフは何も言わずに見守る。
同じ行動でも、褒める人と強く注意する人がいる。
これでは、子どもも保護者も戸惑います。
クラフトマンでは、ドキュメンテーションの書き方、フィードバックの方法、子どもの発達段階に応じた接し方について独自の研修を行っています。
公式サイトでもご紹介している通り、元Appleでの人材育成・フィードバックの経験をもとにした、クラフトマン流のフィードバックステップ「RULE」を子どもとの対話に取り入れています。
たとえば、子どもを「良い」「悪い」と評価するのではなく、実際に何をしたのか、その行動によって何が起きたのか、周囲にどのような影響があったのかを分けて伝えます。
「優しかったね」「えらいね」ではなく、
「困っている友だちに気づいて鉛筆を渡していたね。そのことで、友だちも宿題を終えることができたね」
と行動と影響について具体的に伝える。
失敗したときも、人格を否定せず、起きた事実と次の行動を一緒に考えます。
同時に、安全に関わることや、取り返しのつかないことは大人が明確に止めます。やり直せる失敗には考える余白を残し、危険な場面では迷わず介入する。その判断にも、子どもの年齢や発達段階、その日の状態を踏まえる必要があります。
スタッフ研修は、きれいな接客をするためのものではありません。
子どもの安全と成長を、組織として一定の基準にさせ、個人の勘だけに任せないためのものです。
※画像は実際にスタッフに行う10日間の研修に使う資料の一部です。



連絡帳の文章には、スタッフが何を見ているかが表れる
連絡帳(ドキュメンテーション)は、長く書けばよいわけではありません。
大切なのは、子どものどの場面を見て、どの事実を選び、どのように言葉にするかです。
クラフトマンの保育ドキュメンテーションでは、単に「宿題をしました」「楽しく遊びました」と報告するだけではなく、その日の様子、取り組んだこと、その中で得た経験を文章と写真で記録します。
何に興味を持ったのか。
どこで迷ったのか。
どのように工夫したのか。
友だちとの間で何が起き、どう気持ちを伝えたのか。
参加したかどうかだけでなく、参加しないと決めたときに自分の状態をどう言葉にしたのか。
結果だけでは見えない過程を記録し、その日のうちにコドモンからご家庭へお届けしています。
これは、保護者の方へ情報を届けるだけの作業ではありません。
書くためには、まず観察していなければなりません。そして、観察だけでなく質問をし対話が必要になります。
具体的に書こうとすることで、スタッフ自身も子どもの行動を振り返ります。コミュニケーションの仕方も考えなくてはなりません。記録は、ご家庭とのコミュニケーションであると同時に、保育の質を確かめる仕組みでもあります。
学童と習い事を同じ場所で行うから、一人の子どもを継続して見られる
クラフトマンでは、学童の時間の中で、書道、そろばん、英語、色育、デジタル工作、探究型学習などを行っています。
移動の負担を減らせることは、ご家庭にとって大きな利点です。
しかし、私たちが大切にしているのは、便利さだけではありません。
宿題では慎重に考える子が、3Dプリンタを使った制作では大胆なアイデアを出す。
普段の遊びでは自分の意見を強く持つ子が、そろばんでは指導を受けて方法を変えてみる。
会話だけでは気持ちを表しにくい子が、色育では思いと考えを伝えられる。
日常生活と複数の学びが同じ施設の中にあることで、一つの場面だけでは分からない、その子の得意なこと、苦手なこと、気持ちの変化をつなげて見ることができます。
「習い事を受けられる学童」だけではなく、「生活と学びの両方から子どもを見る学童」であること。
それが、クラフトマンが習い事を施設内で行う理由です。
声をかけ続けなくても動けるように、学習の導線を設計する

クラフトマンでは、子どもに「勉強をやりなさい」と命令することはありません。
「勉強は終わった?」
「何時には始められそう?」
と問いかけ、自分で次の行動を考えることを大切にしています。
ただし、何も言わずに本人任せにしているわけではありません。
学校から帰ってきたら、まず宿題や持ち込んだドリルに向かう。
取り組んだものをスタッフに見せる。
必要に応じて確認や丸つけを行う。
分からないところがあれば一緒に考える。
その後、遊びや習い事、探究活動へ進む。
次に何をするのかが分かるよう、毎日の流れを仕組みにしています。
大人が何度も指示して動かすのではなく、環境そのものが次の行動を知らせる。低学年には必要なコミュニケーションをとりながら、慣れてきたら少しずつ自分で進める余白を増やします。
管理しすぎるのでも、放任するのでもない。
子どもの発達段階と状態を見ながら、自分で動けるところまで支えることを大切にしています。
コドモンで、出欠・入退室・その日の姿を家庭とつなぐ
クラフトマンでは、保育・教育施設向けアプリ「コドモン」を利用しています。
保護者の方はアプリから出席や欠席の申請ができます。
子どもが施設へ入室したとき、退室したときには、保護者のスマートフォンへ通知が届きます。
あらかじめ申請いただく入室予定時刻も、安全確認に活用しています。予定時刻に入室がなく、一定時間が経過した場合には、入室状況を確認するメールが送信されます。到着したことを通知するだけでなく、「予定どおりに到着していない」ことにも気づける仕組みです。
さらに、その日の姿を文章と写真でまとめた連絡帳(ドキュメンテーション)も、同じアプリから配信します。
アプリを入れていること自体がクラフトマンの特徴なのではありません。
予定の共有、到着・退室の確認、日々の記録を一つの流れとしてつなぎ、保護者の方が「見ていない時間」を理解できるようにすることが目的です。
また、コドモンに登録されたアレルギー情報をスタッフ間で共有し、飲食物の提供前に確認する体制にも活用しています。
ICTは人の代わりではありません。
人が見たことを正確に共有し、確認漏れを減らすための道具として使っています。詳しくは「安心してお預けいただくために」でもご案内しています。
コドモンに加え、保護者マイページも開発中
クラフトマンでは、コドモンによる日々の連絡に加え、保護者マイページの開発も進めています。執筆中の現時点では正式後悔はしていませんが、よりわかりやすいマイページを作っています。
保護者の方にとって日々の情報確認がより分かりやすく、便利になるよう、機能を整えています。現在は開発中ですが、クラフトマンの利用体験をより良くするため、今後も改善を重ねていきます。
探究型学習で見ているのも、完成品より「考えた過程」
クラフトマンでは、探究型学習「Learning Friday」を行っています。
チームでのアクティビティ、ディスカッション、グループワーク、課題発見、3Dプリンタを使ったものづくり、工作など、活動の形はテーマによって毎月変わります。
共通しているのは、大人が正解を先に教え、その通りに進めるだけの時間ではないことです。
まず考えてみる。
試してみる。
うまくいかなければ、何が違ったのかを振り返る。
友だちの意見を聞き、自分の考えを変えてみる。
もう一度試してみる。
完成したか、勝ったか、正解したかだけではなく、その途中でどんな工夫をしたのか、意見が分かれたときにどうしたのか、失敗したあとにどう立て直したのかを見ます。
施設内での習い事、日々の学習導線、スタッフのフィードバック、ドキュメンテーションは、別々の取り組みではありません。
すべてが「自分で考え、選び、結果を受け止め、次の行動につなげる」という同じ方針でつながっています。
北山田の地域コミュニティの中で子どもを育てる
クラフトマンアフタースクールは、北山田商業振興会に加盟しています。
北山田商業振興会は、季節のお祭り、防犯パトロール、清掃活動などを通じて、安心・安全で明るい街づくりに取り組んでいる地域コミュニティです。
クラフトマンも地域のお祭りへ出店するなど、施設の中だけで完結しない関わりを持っています。
子どもが育つ場所は、家庭、学校、学童だけではありません。
自分が暮らす街に、顔を知っている大人や店がある。地域の行事に参加し、さまざまな世代の人と接する。
そうした経験も、子どもが社会とのつながりを知る機会だと考えています。
学童を比較するとき、料金と一緒に聞いてほしいこと
金額は、比較しやすい数字です。
しかし、その数字が高いか安いかを考える前に、何が含まれているのかを確認してみてください。
特に、次のような質問をおすすめします。
- 学校へのお迎えは、誰が担当しますか
- お迎え担当者は、どのような基準で採用されていますか
- 引き渡し方法と、移動中の安全ルールは決まっていますか
- スタッフは、子どもの発達やフィードバック方法を学んでいますか
- 事故が起きたとき、どの保険が、どの場面を補償しますか
- 子どもの日々の様子は、いつ、どのように共有されますか
- 連絡帳は活動名だけですか。それとも過程まで記録されますか
- 学習は、指示で動かしますか。自分で動ける流れをつくっていますか
- 習い事と日常生活の姿を、どのようにつなげて見ていますか
- 地域とどのような関係を持っていますか
この質問への答えには、その施設が何にコストをかけ、何を大切にしているかが表れます。
まとめ|クラフトマンの料金は、見えない部分の質を支えています
クラフトマンの特徴は、習い事や3Dプリンタ、探究型学習があることだけではありません。
子どもの安全を担える人材を選ぶこと。
スタッフへ継続して研修を行うこと。
事故を予防し、保険でも備えること。
子どもの行動と気持ちを具体的に見て、記録すること。
学童と習い事を横断して、一人の子どもを継続して見ること。
声をかけ続けなくても動きやすい環境をつくること。
その日の姿を、その日のうちにご家庭へ届けること。
入室予定と入室記録を照合し、予定どおりでないときに確認すること。
コドモンを活用し、保護者マイページの開発も進めること。
お迎えオプションを含め、保護者の皆さまにご負担いただく料金の背景には、こうした運営があります。駅近の学童のためお子様ご自身で通われる場合はオプション費用のご負担もございません。
保険に加入していても、事故によって失われた時間や経験まで元に戻すことはできません。
だからこそ、クラフトマンは保険だけに頼らず、人材の選定と研修、安全確認、日々の観察にコストをかけます。
もちろん、どれだけ体制を整えても、すべての事故を防げると約束することはできません。また、施設での関わりだけで、すべての子どもに同じ成長や成果を保証できるものでもありません。
それでも、何に備え、何を記録し、誰が子どもと関わるのかを曖昧にしないことはできます。
これから学童をご検討される方は、プログラムや料金だけでなく、ぜひその背景にある人と仕組みも比較してください。
現在お通いの保護者の皆さまには、クラフトマンが日々どのような考えでお子さまをお預かりしているのかを、これからもできる限り具体的にお伝えしていきます。










