小学生の学習は、「やりなさい」と言えば解決するものではありません。
かといって、子どもにまかせれば、自分から机に向かうようになるかというと、それも簡単ではありません。

宿題をやらない。
ドリルを始めるまでに時間がかかる。
分からない問題があると手が止まる。
「あとでやる」と言ったまま、結局やらない。

こうした姿は、小学生のご家庭ではよくある悩みだと思います。

ただ、ここで大切なのは、子どもを「やる気がない」と決めつけないことです。小学生の学習は、本人の気持ちだけでなく、環境、コミュニケーション、習慣、見通しの立て方に大きく左右されます。

大人がすべてを決めて動かせば、学習は「やらされるもの」になります。反対に、まだ判断が難しい年齢で全部を子ども任せにすると、学習そのものから離れてしまうこともあります。

小学生の学習に必要なのは、管理と自主性に任せるのどちらかではありません。大人が方針を示し、子どもが少しずつ理解し、日々の中でそばにいる大人が支える。その間にある関わり方です。

小学生の学習でよくある悩みは「やる・やらない」だけではない

宿題をしない姿を見ると、大人はどうしても「早くやりなさい」と言いたくなります。

もちろん、低学年のうちは大人の声かけが必要です。宿題の時間をつくること、机に向かうきっかけをつくること、終わったものを確認すること。これは学習習慣をつくるうえで大切です。

文部科学省も、小学校低学年では学習に対する基本的な姿勢や習慣づけの工夫が求められること、家庭と連携した学習習慣の確立が必要であることに触れています。

ただし、都度大人が「何を、いつ、どこまで、どうやってやるか」を全部決めてしまうと、これも問題です。子どもは自分で考える機会を失います。

宿題は終わっている。
でも、何を学んだのかは分かっていない。
どこが難しかったのかも分かっていない。
言われないと動けない。

これでは、小学生の学習が「自分のもの」になりにくくなります。

管理しすぎると、学習は「やらされるもの」になる

小学生の学習において、大人の管理は必要です。特に低学年では、時間の見通しを立てたり、宿題の量を把握したり、自分で集中を切り替えたりすることはまだ難しいからです。

ただ、管理が強くなりすぎると、子どもは「自分で考えて取り組む」のではなく、「怒られないためにやる」ようになります。

教育心理学の自己決定理論では、人が前向きに取り組むためには、自分で選んでいる感覚、できるようになっている感覚、周りに受け止められている感覚が大切だとされています。DeciとRyan(1985)は、自律性、有能感、関係性が支えられる環境では、行動を自分のものとして受け止めやすくなると説明しています。

これは、小学生の学習にもそのまま当てはまります。

「ここまでやりなさい」と一方的に決めるだけではなく、「今日はどこまでやる?」「まず何から始める?」「分からないところはどうする?」と、子どもが少しでも自分で関われる余白を残すことが大切です。

もちろん、何でも自由にしてよいという意味ではありません。大人が枠をつくり、その中で子どもが考える。この形が、小学生の学習では現実的です。

子供自身に任せると、「自分で決める」が「やらなくてよい」に変わる

一方で、「子どもの自主性を大切にしたい」と考えて、完全に本人任せにするのも難しいところです。

大人が「自分で決めていいよ」と言うとき、本当は「自分で考えて動いてほしい」という意味で使っていることが多いと思います。

でも、子どもはそれを「やらなくてもいい」と受け取ることがあります。

ここに、大人と子どものずれがあります。

本来の「自分で決める」は、何をしてもよいという意味ではありません。自分の行動を理解し、その結果にも向き合うことです。

今日はどの宿題があるのか。
どこまで取り組むのか。
分からない問題はどうするのか。
終わったあと、誰に確認してもらうのか。

こうしたことを少しずつ分かっていくことが、「自分で決める」ということです。

OECDも、子どもが自分の学びに積極的に関わることを大切にしています。ただし、それは子ども一人にすべてを任せるという意味ではなく、先生、保護者、地域が一緒に支える関係の中で育つものだとしています。

小学生の学習では、自由だけでは足りません。
でも、命令だけでも育ちません。

必要なのは、子どもが迷わないための方針と、子ども自身が考える余白です。

保護者の関わり方は「毎日管理」より「方針をそろえる」

家庭でできることは、毎日細かく管理することだけではありません。

むしろ大切なのは、学習の方針を分かりやすく決めることです。

たとえば、宿題はいつ取り組むのか。
宿題が終わったら誰に見せるのか。
分からない問題は、何分考えてから質問するのか。
宿題がない日は、読書、計算、漢字、制作、どれに取り組むのか。

ここが決まっていると、子どもも動きやすくなります。

保護者が毎回「やりなさい」と言わなくても、「うちではこうする」という流れがあると、子どもは少しずつ見通しを持てるようになります。

また、保護者の関わり方で大切なのは、結果だけを見ないことです。

何ページ進んだか。
何問正解したか。
何分で終わったか。

これも大切ですが、小学生の学習では、その前に見るべき姿があります。

自分から宿題を出せたか。
分からない問題で止まったとき、投げ出さずに考えたか。
間違いを直そうとしたか。
必要なときに大人に聞けたか。

こうした姿は、テストの点数にはすぐ出ないかもしれません。ですが、学びに向かう力としてはとても大切です。

文部科学省も、「主体的に学習に取り組む態度」や、自分の思考や行動を客観的に把握する力を、学びに向かう力の一部として示しています。

家庭では、完璧にやらせることよりも、「学習に向かう流れ」を整えることが大切です。

学童の関わり方は「代わりに管理する」ことではない

では、学童は小学生の学習にどう関わるべきでしょうか。

学童ができることは、家庭の代わりにすべてを管理することではありません。
また、ただ場所を用意して見ているだけでもありません。

大切なのは、家庭で決めた方針を、放課後の生活の中で実行しやすくすることです。

学校から帰ってきた子どもは、疲れている日もあります。友だちと遊びたい日もあります。気持ちが切り替わらない日もあります。

その中で、宿題やドリルに向かうには、自然に学習へ入れる流れが必要です。

「今から学習の時間にしよう」
「今日は何が出ている?」
「まずここまでやってみよう」
「分からないところは一緒に考えよう」

こうした声かけを日々積み重ねることで、小学生の学習は少しずつ習慣になります。

学童の役割は、子どもを強く押すことではありません。
子どもが学習から離れすぎないように、ちょうどよい距離で支えることです。

クラフトマンで大切にしている小学生の学習

クラフトマンアフタースクールでは、入室後に宿題や持ち込んだドリルへ取り組む時間を設けています。

学校から帰ってきたら、まず学習に向かう。
取り組んだものは先生に見せる。
必要に応じて確認し、丸つけを行う。
分からないところがあれば一緒に考える。

この流れを、日々の生活の中で大切にしています。

ただし、クラフトマンは塾のように、全員に同じ教材を同じページまで進めさせる場所ではありません。小学生の学習は、一人ひとりの状況やご家庭の考え方によって変わります。

宿題を中心にしたいご家庭。
計算や漢字を少しずつ積み重ねたいご家庭。
中学受験を見据えて、家庭で決めたドリルを進めたいご家庭。
まずは机に向かう習慣をつくりたいご家庭。

クラフトマンでは、何をどこまで進めるかをご家庭とお子さまの方針にそって確認し、放課後の時間の中で支えます。

管理して進度をそろえるのでも、ただ本人任せにするのでもありません。
その間で、一人ひとりに関わることを大切にしています。

宿題は習慣、探究は学ぶ面白さ

小学生の学習には、二つの面があります。

一つは、毎日の学習習慣です。宿題、計算、漢字、音読のように、繰り返し取り組むことで身についていくものです。

もう一つは、学ぶこと自体を面白いと感じる経験です。

クラフトマンでは、宿題やドリルだけでなく、書道、そろばん、色育、英語、 探究型のLearning Fridayなども日常に組み込んでいます。

3Dプリンターでものを形にする。
そろばんで数の感覚を育てる。
書道で姿勢や集中を整える。
探究型学習で「なぜだろう」と考える。

こうした時間は、学校のテストにすぐ出るものばかりではありません。ですが、子どもが「考える」「試す」「直す」「もう一度やってみる」経験になります。

宿題は、学習の土台をつくる時間です。
探究や制作は、学びに向かう気持ちを育てる時間です。

小学生の学習は、この両方を行き来しながら育っていきます。

クラフトマンの児童

まとめ|小学生の学習は、家庭と学童が同じ方向を見ることで育つ

小学生の学習で大切なのは、完璧に管理することではありません。
すべてを子ども任せにすることでもありません。

家庭が方針を決める。
子どもが少しずつ理解する。
学童が日々の中で支える。
できたこと、分からなかったこと、次に取り組むことを確認する。

この流れがあると、子どもは少しずつ「自分の学習」として向き合えるようになります。

クラフトマンは、宿題をただ終わらせる場所ではありません。
子どもを一方的に管理する場所でもありません。
子どもが自由に好きにできる場所でもありません。

横浜市都筑区、北山田・センター北エリアの民間学童として、クラフトマンは、放課後の生活の中に学習習慣と学ぶ面白さの両方をつくっていきたいと考えています。

小学生の学習は、管理しすぎても自主性に任せすぎて育ちません。
大人の方針と、子ども自身の理解と、日々の支えの間で育っていきます。

クラフトマンは、これからもご家庭と連携しながら、子どもが少しずつ自分の力で学びに向かえる環境を整えていきます。

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